
東京を卒業して10年がたちます。
ずいぶん前にかいていた文章だったんだけど下書きフォルダにはいったままだった、この投稿が2015年の最後のアップです。
12月6日に、首相夫人の安倍昭恵氏が主宰し校長を務めるスクール「UZU(うず)の学校」で、
のパネラーとして登壇させていただきました。
六本木のGoogle東京オフィスに、「女性×働く」というテーマに関心を持った50名ほどの女性が集まる中、
僕は男性一人、「黒一点」で、自分の思うところを話させてもらいました。
昭恵さんが気さくでとってもフレンドリーな方だというのはいろんな人から聞いてはいたのだけど、
実際お会いしたらほんとうにそうで、お弁当を食べながらの打ち合わせでは、ゆるやかな時間が流れていました。
僕がパネラーとして出るセッションは「地域×女性」というテーマだと知ったのはその打ち合わせ時間だったのですが
てっきり、もうひとつのテーマ「働くの未来系」に出るものだと思っていたので、「えー、こっちなの?」とびっくり。
しかし、並んだパネラーのプロフィールを見て納得。
僕のプロフィール欄には、
2006年、27歳の時に東京を「卒業」。愛知県の田舎(西尾市幡豆町)で3児の父として子育て中。
家は海まで歩いて5分。職場までは1時間半。GraduateFromTokyoのコンセプトで東京から地方への人材流動化を支援している。趣味はスタンディングアップパドル(SUP)。朝の海が大好き。
と書いてある。
その時ぼくは気付いたのでした。
「ああ、僕は東京から田舎に移住して、なんだかワークスタイルについて研究している人という風に見えるんだよな」
自分で書いているプロフィールですから、そりゃそうなんですけど、
「働きごこちを研究している人」というのはなんだかよくわからないけど、
「東京から田舎に移り住んで、気持ちよく生きる、働くってことを実践している人」というのはわかりやすいわけで。
実際パネルの中でも
「なぜ藤野さんはコンサルティング会社にいたり、東京の都心で働いていたのに、
地方に移住しようと決めたんですか?」
「不安とかなかったんですか?」
と聞かれて、
「そうか、みんなそこに興味があるんだなあ」
と感じたのでした。
GraduateFromTokyo(東京を卒業しよう)というテーマで、
今年はいくつかの移住系のイベントでお話しさせてもらったんですが、
そう、気付けばもう10年なんです。
東京で毎日遅くまで働き、タクシーで首都高に乗りうちに帰れば、
結婚したばかりの妻は既に寝ていて、すれちがい。
あれ、こんなはずじゃなかったのにな、と感じていた27歳の5月。
あるとき、名古屋支社に出張。その日の夜、奥さんの実家に泊まると、外はカエルの大合唱。
「カエルがうるさくて眠れない。なんて最高なところだ」と感じるとともに、
「この地に住んで、生きていくことができたら、それが一番僕にとって働きごこちがいいんだろうな」
という直感がおりてきました。
それから1週間もたたないうちに、会社に転勤OR退職を依頼。
ありがたいことに支社に営業としていかせていただき、今があります。
それから10年。
独立して、縁もゆかりもない名古屋の地で、仕事をしてきました。
たくさんの素敵な仲間にめぐりあい、楽しく働いています。
この10年の間にITやモバイル環境が充実して、
海にいても、街にいても、どこにいても仕事ができるようになりました。
そんな中、世の中は移住がブームになってきました。
働く場所は自由に選べるはず。でも一歩踏み出すにはどうしたらいいんだろう。
そんな人たちにたくさん出会います。
そうか、僕は今、このテーマで世の中にメッセージを発信していくことを求められているのかもなあ、
そんなことを感じたGoogleオフィスでのイベントでした。
↑イベントに参加されていたCSR48(←なんてオモロー笑)の方々のレポート。
わかりやすくまとまってます。
ともに登壇させていただいた、ベアーズの高橋ゆきさんのエネルギー、海女の鈴木直美さんのやわらかさのなか、
今年の中で一番きづきのある登壇機会でした。
つなげてくれた、藤本あゆみさん、ありがとう。
懇親会で昭恵さんが
「私も、はじめて夫の実家にいったときに、
ああこの土地に私呼ばれてるわーって感じたのよね」
とおっしゃっていて、共感共鳴しちゃいました。
たぶん移住って、理屈じゃなくって、直感なんだろうなあと思います。
3日間の東京出張を終え、娘と夕日を見ながらおやつ。
この日はとってもあったかくて、こんな夕日を見られるのは一年に何日もないんだけど、
東京からもどると、やっぱりこの海にきたくなる。
じわーってなる。
このすてきな幡豆(はず)のまちを、ハズフォルニアなんて仲間と言いはじめている。
2016年は、ハズフォルニアの自称PR大使として、
「東京を卒業だー!」っていろんなところで言おうかしら。