「就業力を上げる」   若年者のキャリア形成に必要な3つの視点。

「就業力を上げる」   若年者のキャリア形成に必要な3つの視点。

「働く意欲の低い若い人たちが、働く気になるにはどんな仕掛けがあればいいですかねー?」

という問いかけに対して、30分くらい議論した。

 

熱の低い人たち、

火をつけてもなかなか燃えない人たちに、

どんなプログラムを用意すればいいだろうかという相談はよくもらう。

 

これは実に難しい相談だ。

 

そういう人たちをターゲットにした研修プログラムを行政が行っているのをよく見るが、

「本当にそれでうまくいくのかなあ」

という疑問を持つことも少なくない。

 

たとえば、「ビジネスマナー」や「エクセルのスキルのようなPCスキル」を教え込むもの。

心のないところに型を教えてもねー。

 

ほかにも、「キャリアを考えるワーク」をやるもの。

うまくいけばとってもいいんだろうけど、

「そもそもやりたいことがないんです」みたいな受講者の声がいまにも聞こえてくる。

 

賛否が分かれるのは、「気合を入れる系」。

気合い入れる系って、実はファシリテーターのスキルがめちゃくちゃ高いレベルが求められる。

ほんとうに、人を人として見ていないと、ただのサディストになっちゃう。

何人か、「心の底から人を愛せるファシリテーター」を知っているけれど、

彼らの真似は簡単にはできない。

なのに、安易に「気合を注入してください」ってオーダーすると、大変なことになります。

 

でも、マナーを教えてもうまくいかず、キャリア系の講師に依頼してもうまくいかず、

「じゃあどうすればいいんですか?」と気合を入れる系に流れることは少なくありません。

 

 

そんなことを思いながら、

「じゃあどういうプログラムがいいんだろう」

って雑談しながら思い浮かんだのが、次の3つの視点です。

 

①オープンマインド・可愛げ力を取り戻す

②未来への不安を払拭する

③ソーシャル時代のITリテラシーを身に着ける

 

まだまだ粗い視点ですが、ちょっと書いてみます。

 

①オープンマインド・可愛げ力を取り戻す

 

いろいろ考えたのですが、やっぱりこの

「オープンマインド」な自分を取り戻してもらう

 

というのがとにかく一歩目であろうと思います。

 

人には「良心」があって、

社会生活の中で、人間関係の中で、そして大人になるにあたって、

その良心の存在に「気が付かなく」なっている。

 

だからこそ、人を責め、周囲を責め、自己正当化を図ろうとする。

 

それを「箱に入る」と呼びます。

 

誰しもが箱に入る。それは人間だから。

そして誰しもが箱から出ることができる。それは人には良心があるから。

 

そんなふかーい気付きに、1日でたどりつくことができるのが

「箱セミナー」。

 

これはファシリテーターのレベルが本当に求められます。

 

世の中に多くの講師あれど、

「型」の中に入れる「心」に気付かせることができる

ファシリテーターは、多くありません。

(そして、彼らの多くが売れっ子であり、

行政が提供するプログラムのフィーとは合わない場合も多いのですが)

 

心を柔らかくさせ、素直な自分の存在に気付く「オープンマインドの場づくり」

を研修の第一歩に置きます。

 

 

②未来への不安の払しょく

 

オープンマインドになった後は、

未来への「漠然とした」不安への払拭を行います。

 

 

人口が減るとか、年金がもらえないとか、

人工知能やロボットが人間の仕事を奪うとか、

いろんな危機感をメディアが煽っている。

 

いや、そもそも

そういう「未来予想」の情報に触れないままに、

「なんだか未来は暗い気がするから、今を楽しめばいいや」

と感じているひともいる気がする。

 

そういった若者に対する「漠然とした不安」の払拭を行う。

まずはここからでは?

 

やり方としては、20年ちょっとを生きてきている彼らに対して

・これまでの20年間を分析してもらい

・これからの20年間を予想してもらう

 

ということ。

 

たとえばWindows95が登場しておきたこれまでの20年間の変化。

デジタルネイティブで、LINEでバンバンコミュニケーションをしている

彼らにとって、「LINEがなかったらどんなだろう?」を考えてもらうとか。

 

アマゾンで当たり前に次の日にモノが届くこととか、

イオンになんでもあって、1日いられるようになったこととか(笑)

身近にある商品・サービスから、この20年間の変化を感じてもらう。

 

その上で、これから20年はどんなふうになったら、Happyか?

を考えてもらう。

そこに与えるヒントは、ロボット・人工知能の進化や、

人口動態の変化や、海外新興国の発展や、地方自治体の財政状況・・

これらの情報を「できるだけわかりやすく」提供し、

「考えるヒント」にしてもらえるといいだろう。

(うーん、これがなかなかハードルが高いね)

 

悲観的な情報だけだと、

「今が楽しければいいやー」となっちゃうかもしれないけど、

「未来は誰にもわからない」ってことをベースに話し合いを展開していきたいですね。

 

最後に行うのは、自分自身がどんな未来を生きていきたいかを「イメージング」してもらうこと。

 

左脳と右脳、理性と感性の両方を使いながらイメージしてもらいたいので、

ライフスタイルを想起させる写真を中心とした古雑誌などを用意して、

それらの写真を「切り貼り」してもらうとGoodでしょう。

 

余談になりますが、働き方の選択肢として

正社員やアルバイトだけでなく、「クラウドワーカー」という選択肢が出ていることも伝えていきたいと思います。

 

クラウドソーシングのサイトにアクセスし、

フリーランスや主婦や正社員が、仕事を自由に受発注している現状に触れてもらい、

「働き方は自由だ」という気付きを与えていくのも、

これからの時代の「キャリア開発」であると感じます。

 

 

③ソーシャル時代のITリテラシーを身に着ける

 

最後は、とても具体的なスキルです。

 

ITリテラシーというと、これまではPCスキルと呼ばれるものでした。

もちろんそれも必要ですが、

ソーシャル時代において必要なのは、

「スピーディーでポジティブでカジュアルなITコミュニケーション」です。

 

スピーディ。

とにかくすぐググること。

 

「最近の若者はすぐにググるから、考える力が落ちている」と言いますが、

世の中に提供されている情報をスピーディーに集めて、

集めた情報から仮説を構築するというのは、新米コンサルタントが一番はじめに学ぶ技術です。

 

たとえば、「LINEの功罪」というテーマに対して、

LINEの害悪を書いてある記事と、

LINEのメリットを書いてある記事の両方に触れて、

その両面の主張を、400字程度でまとめるという「課題」などはどうでしょうか。

 

どういう検索ワードであればほしい情報にたどり着けるかの試行錯誤。

どういうサイトが検索上位にあがってくるのかの情報の蓄積。

どういう文章だと「まとめ」やすいかを「体感」で気付くこと。

これらのプロセスからの学びもまさにITリテラシそのものです。

 

これらの行動を、PCではなくスマホですべてやってもらっていいと思います。

「スマホでのITスキルは、仕事に生きる」という実感も持ってもらいたいですからね。

 

ポジティブ。

これは2ちゃんねらー的なネガティブで批判的なコミュニケーションの反対にあるものです。

 

世の中の「炎上記事」を閲覧し、

・炎上のポイントは何だったか?(何に、ネットユーザーはいらついたか?)

・ネットユーザーのネガティブな書き込みのなかで、人を傷つける書き方はどれか?

・それらの書き込みに対して、どのように「反応」するとさらに炎上するか?

 

をまとめてもらい、ディスカッションしてもらおうとおもいます。

 

この話題は割と盛り上がることでしょう、

むしろ、炎上のさせ方は彼らの方が教える側より詳しいかもしれません。

 

ポジティブなITリテラシとは、明るくなること、

ではなく、それらの炎上させるやり方、人を怒らせたり傷つける書き方をしないことである

と学んでもらいます。(これは実に実践的なコンプライアンス教育でもあります)

 

最後にカジュアル。

これはソーシャル時代のダイジなリテラシです。

いわゆるビジネスマナーで教える「長く、画一的な、堅い書き方」と、

LINEメッセージやFacebookコメントの書き方の両方を比較して学んでもらいます。

 

カジュアルはNGで、ビジネスライクがGOODである、という画一的な教え方から脱却して、

「カジュアルもありだし」「ビジネスライクも必要」という気付きを与えてあげてほしいと思います。

 

多くの世の中のビジネスマナーでは、TPOに応じて使い分けるという言い方をしていますが、

TPOがそもそもわかる人にマナーを教える必要がないのです。

 

 

 

さてさて、いろいろ書いてきましたが、

いざ書いてみると難しいなあというのが正直な感想。

 

今回のプログラムが果たして

「火のつかない若者の就業意識にスイッチを入れるもの」になるのかどうかは

やってみないとわからないのだけれど、

 

前例踏襲の画一的なプログラムや、

一方的に教え込む系式のファシリテーションでは伝わらなくって、

そこは変えなきゃいけないというのは、

この記事を書いてみてあらためて感じた気付きです。

 

働き方やワークスタイルの選択肢が広がっていること

ソーシャル時代であることを前提に「リテラシ」を捉えなおすこと、

受講者を「変えよう」とするのではなく、まずは人の「良心」にフォーカスを置くこと。

 

そんなプログラムが行政からバンバン提供されたら、

なんだかハッピーな感じがしますね。

(民間の仕事がなくなっちゃうかも?笑)

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